2026年の初詣、お賽銭の金額に悩んでいませんか?

2026年が幕を開け、新しい年の始まりに「初詣」へ出かける方も多いのではないでしょうか。旧年への感謝を伝え、新年の無病息災や目標達成を祈願する、日本人にとって大切な行事です。
しかし、いざ拝殿でお賽銭箱を目の前にしたとき、「お賽銭はいくら入れるのが適切なんだろう?」とふと手が止まってしまった経験はありませんか?
「定番の5円玉がいいのかな?」
「10円玉は“縁が遠のく”と聞くけど、本当?」
「お札を入れている人もいるけど、どういう意味があるの?」
など、疑問は尽きません。
特に新年のお参りですから、どうせなら縁起を担ぎたい、神様や仏様に失礼にあたることは避けたいと思うのは自然な心理です。
お賽銭の金額については、古くから「語呂合わせ(ごろあわせ)」によって、縁起が良いとされる金額・悪いとされる金額が言い伝えられてきました。これらは神社仏閣が公式に定めたルールではありませんが、参拝者の間で広く浸透している「縁起担ぎ」の文化です。
この記事では、2026年の初詣に向けて、縁起が良いとされるお賽銭の具体的な金額とその意味、そして一般的に避けられがちな金額とその理由について、詳しく解説していきます。
さらに、お賽銭に関する素朴な疑問(お札の入れ方、お賽銭を投げる・投げない問題など)にもお答えします。
この記事を最後までお読みいただければ、お賽銭に関するモヤモヤがすっきりと解消し、2026年のスタートを清々しい気持ちで切ることができるはずです。ぜひ、新年の開運にお役立てください。
お賽銭の金額に決まりはなし!一番大切なのは「感謝の気持ち」

縁起の良い金額、悪い金額をご紹介する前に、まず大前提として知っておいていただきたいことがあります。
それは、お賽銭の金額に「こうでなければならない」という厳密なルールや「正解」は存在しない、ということです。
「1万円入れたから願いが叶いやすい」「5円だけでは失礼にあたる」といったことは一切ありません。お賽銭は、神様や仏様へのサービスの対価や、願い事を叶えてもらうための手数料ではないからです。
では、お賽銭とは本来どういう意味を持つのでしょうか。
お賽銭は、元々「お米」や「海の幸・山の幸」などを神様にお供えしていた(「散米(さんまい)」)風習が、時代とともにお金(貨幣)に変わっていったものとされています。また、お賽銭を投げる「チャリン」という音で、自身の邪気を払い、場を清めるという意味合いも含まれていたと言われています。
つまり、お賽銭とは、日頃の平穏無事への感謝や、新年のご挨拶、祈願の気持ちを「形」としてお供えするものなのです。
したがって、金額の多い少ないでご利益が変わったり、神様が怒ったりすることはありません。最も尊いのは、その金額に込めた「感謝の心」や「祈りの真剣さ」です。
例えば「5円」でも、心を込めて「旧年中はありがとうございました。2026年も家族が健康で過ごせますように」と祈れば、それは大変立派なお賽銭です。逆に、高額であっても、見栄や欲望だけで「これだけ入れたのだから願いを叶えろ」という気持ちでは、本来の意味から離れてしまいます。
この後ご紹介する「語呂合わせ」は、あくまで人々が「縁起を担ぎたい」という遊び心から生み出した文化の一つです。神道や仏教の教義として定められたものではないことを、まずはしっかりと理解しておきましょう。
この「感謝の気持ちが第一」という大前提を踏まえたうえで、昔から伝わる縁起担ぎの「語呂合わせ」について、次の章から楽しく見ていきましょう。
【金額別】縁起がいいお賽銭の「語呂合わせ」一覧

お賽銭で一番大切なのは「気持ち」であることを確認しましたが、やはり新年ですから縁起を担ぎたいものですよね。ここでは、古くから親しまれている「語呂合わせ」による縁起の良い金額を、具体的な意味とともにご紹介します。
これらはあくまで縁起担ぎの一環ですので、ご自身の祈願したい内容に合わせて、楽しみながら選んでみてください。
定番は「5円」:ご縁がありますように
最も有名で、定番中の定番と言えるのが「5円」です。これはもちろん「ご縁がありますように」という願いが込められています。
恋愛や結婚といった男女の縁だけでなく、仕事での良いご縁、友人関係のご縁、お金のご縁など、あらゆる「良いご縁」全般に通じるため、新年の抱負を願うのに最適です。
また、5円玉は「穴あき銭」であることから、「見通しが良い」「運が通る」とも言われ、縁起物として好まれます。硬貨1枚で意味が通じる手軽さもあり、多くの方に選ばれています。
「11円」:いい縁に恵まれる
「11円」は、「11(いい)縁」という語呂合わせです。5円玉2枚と1円玉1枚、あるいは10円玉1枚と1円玉1枚で「11円」になります。
「5円」よりもさらに踏み込んで、「良いご縁」を具体的に願う意味合いがあります。新しい出会いを求めている方や、今年こそは良い人間関係を築きたいと願う方におすすめです。(※10円玉を「遠縁」として避ける考え方もありますが、組み合わせる場合は気にしなくても良いでしょう)
「15円」:十分なご縁がある
「15円」は、「15(じゅうご)=十分なご縁」と読み替えることができます。5円玉3枚で作るのが一般的です。
「ご縁」が「十分」にある、満たされているという状態を示します。すでに良縁に恵まれていることへの感謝や、これからも満たされたご縁が続くように、という願いを込めることができます。現状の幸せが続くことを願う場合に適しています。
「25円」:二重にご縁がある
「25円」は、「25(にじゅうご)=二重にご縁」と読みます。5円玉5枚で作る金額です。
「ご縁」が「二重に」なる、つまり、ご縁が重なってさらに強くなる、倍になるという意味合いが込められています。恋愛運や金運を特に強力に引き寄せたい、という方によく選ばれる縁起の良い金額です。
「45円」:始終ご縁がある
「45円」は、「45(しじゅうご)=始終ご縁」と読みます。5円玉9枚(または10円玉4枚と5円玉1枚など)で作ります。
「始終(しじゅう)」とは、「始めから終わりまで」「いつもずっと」という意味です。「一年間ずっと、絶え間なく良いご縁に恵まれますように」という、非常に縁起の良い意味になります。持続的な幸運や安定した人間関係を願うのにぴったりです。(※ただし、硬貨9枚は「苦」を連想させるとして避ける人も稀にいますが、語呂合わせとしては「始終ご縁」が一般的です。)
(コラム)お札はいくら入れる?1,000円や1万円の意味
初詣では、お賽銭箱にお札を入れている方も見かけます。お札には特定の語呂合わせはありませんが、より大きな感謝や、新年の強い決意表明としてお供えする意味合いがあります。
例えば、厄年の方が「厄払い」として大きな金額を納めたり、事業をされている方が新年の商売繁盛を強く祈願したりする場合などです。
金額は1,000円、3,000円、5,000円、1万円など様々ですが、重要なのは金額の多寡ではなく、「これだけの気持ちを込めています」という自身の覚悟や感謝の深さを示すものであると捉えると良いでしょう。お札を入れる場合は、お賽銭箱にそっと滑らせるように入れるのがマナーです。(詳しいマナーは後述します)
要注意!避けるべき「縁起が悪い」お賽銭の金額とは?

縁起の良い語呂合わせがある一方で、その逆、つまり「避けた方が良い」とされる語呂合わせの金額も存在します。
これらも医学的・科学的な根拠があるわけではなく、あくまで「そう聞こえてしまう」という言葉遊びから来たものです。前述の通り、お賽銭で最も大切なのは「感謝の気持ち」なので、神経質になりすぎる必要はまったくありません。
もし10円玉しか持っていなくても、心を込めてお参りすれば何の問題もありません。ただ、「知っているとスッキリする豆知識」として、また「あえてその金額を選ぶ必要はない」という参考程度にご覧ください。
「10円」:遠縁(とおえん)になる
10円玉1枚のお賽銭は、「10(とお)円」が「遠縁(とおえん)」、つまり「ご縁が遠のいてしまう」と聞こえることから、避けた方が良いという説があります。
特に恋愛成就や良縁祈願の際には、ご縁が遠のいては困るため、気にされる方が多いようです。
しかし、これはあくまで語呂合わせの一つです。例えば、10円玉を5枚合わせて50円(ご縁)にしたり、他の硬貨と組み合わせて「11円(いい縁)」などにする場合は、この限りではありません。10円玉そのものが不吉というわけではなく、「10円“だけ”」という状況を気にする人がいる、という程度に捉えておきましょう。
「65円」:ろくなご縁がない
「65円」は、その読み方の通り「65(ろくご)=ろくなご縁」と聞こえてしまいます。これではせっかくお参りしても、良いご縁に恵まれそうにありません。
例えば、50円玉1枚、10円玉1枚、5円玉1枚の組み合わせなどが該当します。意図せずこの金額になってしまう可能性は低いかもしれませんが、縁起担ぎとしては避けたい組み合わせの代表例です。
「500円」:これ以上効果(硬貨)がない
意外に思われるかもしれませんが、「500円玉」も縁起が悪いとされる説があります。
500円玉は、現在日本で発行されている硬貨(通常硬貨)の中で最も額面が大きいものです。そこから転じて、「これ以上大きな硬貨(こうか)がない」=「これ以上、効果(こうか)がない」と解釈されることがあるのです。
これには、「発展性がない」「運が頭打ちになる」といったネガティブなイメージが伴います。特に商売繁盛や出世、学業成就など、さらなる向上を目指す祈願の際には、あえて500円玉1枚を避ける方もいるようです。
もちろん、500円分の感謝を込めることは素晴らしいことです。もし気にするのであれば、500円玉1枚ではなく、100円玉5枚や、他の硬貨と組み合わせてお供えするといった方法も考えられます。
お賽銭に関するよくある疑問 Q&A

ここまで、縁起が良いとされる金額や、避けた方が良いとされる金額について「語呂合わせ」の観点から解説してきました。
しかし、実際にお参りする際には、ほかにも「この場合はどうするんだろう?」と迷うことがいくつかあるかと思います。ここでは、お賽銭に関して多くの人が抱く素朴な疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。
Q1. なぜ5円玉や50円玉(穴あき銭)が良いの?
A. 「ご縁(5円)」の語呂合わせ以外にも、5円玉や50円玉が縁起物とされる理由があります。
それは、これらの硬貨に「穴が空いている」からです。
この穴は「見通しが良い」ことに通じるとされ、新年の抱負や将来の展望が明るいものになるように、という願いが込められています。「運が(穴を)通る」という意味で、開運の象徴ともされています。
特に50円玉は、中央に穴が空いていることに加え、デザインされている「稲穂」が五穀豊穣(豊かな実り)を、その周りの「水」が財産や清らかさを象徴するなど、縁起の良い要素が多く含まれている硬貨です。
もちろん、穴の空いていない1円玉や100円玉が「見通しが悪い」という意味になるわけではありません。あくまで、穴あき銭が持つ特別な縁起担ぎの一つとして覚えておくと良いでしょう。
Q2. お賽銭は「投げる」べき?「そっと入れる」べき?
A. どちらの説も存在しますが、現代においては「そっと入れる」方が丁寧であるとされています。
一昔前は、お賽銭を「投げ入れる」光景がよく見られました。これには諸説ありますが、一つは、お賽銭のルーツである「散米(さんまい)」=お米を撒いて土地の神様にお供えし、場を清めた名残であるという説。もう一つは、お賽銭を投げる「チャリン」という音で邪気を払い、神様をお呼びするという意味があったという説です。
しかし、お賽銭は神様・仏様への「感謝の気持ち」を形にした「お供え物」です。人に物を渡す際に投げ渡すのが失礼にあたるのと同様に、神様へのお供え物も投げるのは丁寧ではない、という考え方が現代では主流になっています。
特に初詣で混雑している際は、後ろの人に配慮して投げ入れることもあるかもしれませんが、可能であればお賽銭箱の近くまで進み、感謝の心を込めて、そっと滑らせるように入れるのが最も望ましい作法と言えるでしょう。
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Q3. お札を入れる時のマナー(新札?折り方)は?
A. お札をお供えする場合、いくつかのマナーがあります。必須ではありませんが、知っておくとより丁寧に気持ちを伝えることができます。
- なるべく「新札(ピン札)」を用意する
神様へのお供え物ですので、ご祝儀などと同じように、できるだけ綺麗な新札を用意するのが望ましいです。新年の始まりに、清らかな気持ちを示すことができます。 - 「白い封筒」に入れるのが最も丁寧
お札をそのまま入れると、硬貨で汚れたり折れたりしてしまいます。白い無地の封筒(郵便番号欄などがないもの)に入れ、表面に「御賽銭」や「御初穂料(おんはつほりょう)」、裏面(または中袋)に自分の住所と氏名を書いておくと、非常に丁寧です。 - 封筒がない場合は「三つ折り」に
もし封筒が用意できず、お札をそのまま入れる場合は、くしゃくしゃにせず「三つ折り」にして入れると良いでしょう。一般的に、お札の肖像画(顔)が内側になるように折ります。
高額だからご利益があるわけではありませんが、大きな感謝や強い決意を表明する際などには、こうしたマナーを意識してみてください。
まとめ:2026年の初詣は金額にこだわりすぎず、心を込めて参拝しよう

2026年の初詣におけるお賽銭について、縁起が良いとされる金額、避けた方が良いとされる金額、そしてお賽銭に関する様々な疑問について解説してきました。
「5円(ご縁)」や「11円(いい縁)」といった縁起の良い語呂合わせから、「10円(遠縁)」や「500円(これ以上効果がない)」といった避けたい語呂合わせまで、様々な説をご紹介しました。
しかし、この記事で最もお伝えしたかったことは、お賽銭の金額に厳密なルールや「正解」はないということです。
最も大切なのは、金額の多寡(多いか少ないか)ではありません。旧年を無事に過ごせたことへの「感謝の気持ち」と、2026年という新しい年への「真剣な祈願」です。お賽銭は、その清らかな心を「形」として神様・仏様にお供えするものです。
ご紹介した「語呂合わせ」は、あくまで先人たちの遊び心や「縁起を担ぎたい」という願いから生まれた、日本独自の興味深い文化の一つです。新年の始まりに「今年は良いご縁がありますように」と心を込めて5円玉を選ぶのは、とても素敵なことだと思います。
ですが、その文化に縛られすぎる必要はまったくありません。
もし、たまたまお財布に10円玉しかなくても、「縁が遠のくかもしれない」などと不安に思う必要はゼロです。その10円玉に、あなたの精一杯の感謝を込めてお供えすれば、それは他のどんな金額にも勝る、尊いお賽銭となります。
初詣の拝殿で悩むべきは「いくらにしようか」ということではなく、「何に感謝し、何を願うか」ということです。
お賽銭の金額にこだわりすぎず、心を静かにして、清々しい気持ちで2026年のスタートを切ること。それが、一番のご利益に繋がるはずです。
この記事が、あなたの2026年の初詣をより心豊かなものにするための一助となれば幸いです。
